2011-08-25

円高の今、外貨預金は有利か?

円高傾向がおさまりそうもありません。そこでにわかに脚光を浴びているのが外貨預金ですが、果たして円高の今、外貨預金を始めるのは本当に有利なのだろうか。
外貨預金は、日本円を米ドルやユーロなどの外国通貨に交換して外貨で預金するもので、預けたお金には日本での預金と同じように一定の利息が付きます。しかも、多くの場合、超低金利が続く日本と違って高い金利が設定されています。お金を預けておくだけでなく、お金を動かして増やそうという「資産運用」に目覚めた人にとって、他国の通貨で預金するという外貨預金はとても魅力的な金融商品に思えます。
しかも今なら円が強い。円高の時に外貨預金を始めれば、金利に加えて為替差益を期待することもできます。

しかし、これは預けた時が円高で、満期の時が円安の場合に限られます。日本経済が今後どうなって行くかわかりませんが、ひょっとしたらますます円高になるかも知れません。あるいは円安になった後、再び円高になる可能性もあります。外貨預金は中途解約ができないため、ちょうど満期日に円高になっていると、為替差損で元本割れを起こしてしまいます。
また、外貨として預け入れる時と引き出す時に「為替手数料」がかかり、この手数料が高ければ少しくらいの為替差益や金利は相殺されてしまい、殆ど利益が出ないなんてことにもなりかねません。

そして何よりも不安なのは、外貨預金はペイオフの対象外になっているということです。国内の銀行にお金を預けた場合、ペイオフがあるため、たとえ銀行が破たんしても1000万円までは保障されますが、外貨預金の場合は保障されません。取引先の銀行かまたは外貨を預けている銀行が破たんした場合、預けたお金がゼロになってしまう可能性もあります。

外貨預金は、円高だからと言ってむやみに飛びつかず、このようなリスクも考慮に入れ、余裕のある資金で行ったほうが良さそうです。

2011-08-04

再生可能エネルギーで日本の復興を

東日本大震災からやっと立ち直ろうとしている日本を、急激な円高が直撃しています。福島原発事故の収束もまだ見通しが立たず、牛肉や腐葉土の放射能汚染が明らかになり、これから秋にかけて新米への影響も懸念されています。

そんな中、ひとつだけ明るいニュースがありました。世界各国で出願されている4万7000件余りの再生可能エネルギーに関する特許のうち、日本で出願された特許件数が全体の55%を占め、トップであることが環境省のまとめでわかったからです。

再生可能エネルギーとは、自然環境の中で繰り返し利用できるエネルギーのことで、太陽光や太陽熱、水力、風力、地熱、バイオマス、潮力、波力などのエネルギーを指します。石油・石炭などの化石燃料は、大気汚染の原因となったり温室効果ガスを排出して地球温暖化を引き起こす可能性があり、またいずれ枯渇することがわかっているため、長くは使えません。

そして新時代のエネルギーとして期待されていた原子力エネルギーは、いったん事故が起こると人間の力ではコントロールできなくなることが、今回の福島原発の事故で明らかになりました。また、核廃棄物をどのように処理したら良いかわからぬまま次から次へと原子力発電所を増設して来たわけですが、地球の未来を思うなら再生可能エネルギーへ転換するべき時が来たと言えます。

日本は世界に先駆けて再生可能エネルギーの特許を取得していますが、しかし、実用化の面ではかなりの遅れを取っています。今後はこの膨大な特許をもとに技術開発をどんどん進めることが、日本の復興にもつながると思われます。

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